Kokopelli

備忘録と思考と好きな事などをつらつらと。

理性の限界

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面白い。完全民主的な投票などこの世に存在しないということで、それを科学的に解き明かしていく。

投票形式は、投票をする対象物に何を求めるかによって規定されているという示唆が深い。例えば普段行っている選挙は「単記投票制度」というやつで数ある候補の中から1位に沢山選んでもらえれば勝ちというスタイル。カリスマ型リーダーシップの人間はファンを獲得しやすい反面、アンチも多い。ただこの単記投票制度はそうったリーダーシップを持つ人が欲しいということで採用されている。新商品のコンペもこれだそうだ。

逆に…芸術などを審査する人達は均一性というか八方美人なスタイルで決める。芸術は絶対的な指標がないので、評価する人の主観に依存する部分が大きい。それなのに偏った人間たちだと困るからだ。ではどういった形を取るのかというと、「順位評点方式」で1位は3ポイント、2位は2ポイント、3位は1ポイントみたいなやつだ。これは特段愛されなくても、満遍なく嫌われなければ勝てるという形。

あらゆる面から考えて、結局完全で完成された投票スタイルはないそうで、何が求められているのか…から逆算してうまく利用していくのが大事だなぁなんて

 

国際政治学者:一七七四年 、フランス王立科学アカデミ ーは 、単記投票方式に欠陥があるというボルダの指摘を検討した結果 、 「順位評点方式 」によって会員を選ぶことにしました 。ところが 、この制度は長く続かなかった … … 。というのは 、一八〇〇年に新たに会員となった有力者が猛反対したため 、再び元の制度に逆戻りしてしまったからです 。

会社員:その新会員とは誰だったのですか ?

国際政治学者:彼こそが 、ナポレオン ・ボナパルトだったのです !

会社員:なるほど !ナポレオンといえば 、まさに両極端タイプ 。 「順位評点方式 」では 、自分がリ ーダ ーに選ばれないと知っていたわけですね 。」

—『理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性 限界シリーズ (講談社現代新書)』高橋昌一郎http://a.co/21zeQy3