Kokopelli

備忘録と思考と好きな事などをつらつらと。

アビリーンのパラドックスを知って、無駄な時間を過ごさず生きよう。

今回はパラドックスについての本を読んでいて、「あるあるだよなぁ、これ」となったものがあったので紹介します。

パラドックスについての説明は省きますが、逆説とか矛盾とかって訳されますね。

 

今回取り上げるアビリーンのパラドックスとは、以下の通り。

【ある八月の暑い日、アメリカ合衆国テキサス州のある町で、ある家族が団欒していた。そのうち一人が53マイル離れたアビリーンへの旅行を提案した。誰もがその旅行を望んでいなかったにもかかわらず、皆他の家族は旅行をしたがっていると思い込み、誰もその提案に反対しなかった。道中は暑く、埃っぽく、とても快適なものではなかった。提案者を含めて誰もアビリーンへ行きたくなかったという事を皆が知ったのは、旅行が終わった後だった。】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

 

 

心の中では誰も行きたくないのに、全員行ってしまっているという盛大なパラドックスが発生している例です。

これ、滅茶苦茶あるあるじゃないですか?

 

例えば飲み会で「お金も掛かるし面倒だけど断るのは悪いから行くか。。」という心中の、数人が集まってその場限りの会話や笑顔で時間を過ごす。

なんとなくの雰囲気や誰かの「行きたい!」で決まってしまった実は誰まあんまり行きたくない外出。

 

僕も何回か経験あります。こういう時って、言葉に出さないけどそこにいる皆が気怠そうにしてるんですよね〜。あと飲み会だと、一つの話題が終わった後の無言の時間がめっちゃ気まずくなる笑

人生でこんな無駄な時間ないと思うので、じゃあどうしたら〝アビリーンに行かなくて済むか〟を自分なりに考えてみました。

 

対処法

①素直な意思主張と、感情に沿った行動

行きたくないものは行きたくないと言う。自分の思ってないことは口にしない。仮に約束していたとしても、心がワクワクしなければ行かない。

これが出来たらまず〝アビリーンに行かなくて済み〟ます。「いやいや忖度と慮りの国、日本でそんなこと出来るわけないだろ」という声が聞こえてきますので、もう少し踏み込んだ対処法に進んでみましょう。

 

②人間関係の断捨離

諸悪の根源はアビリーンに行く人達との関係性だと仮定して考えてみます。

このパラドックスの例であげられている家族に真の信頼関係はあったのでしょうか?真相は分かり得ませんが、考察するにそうではないでしょう。家族の1人たりとも行きたくない中で、誰もその声をあげない。個々の性格特性や家族文化など考慮すべき点は沢山ありますが、この家族の関係性が少々異常だと考えるのが普通でしょう。僕なりの考えをもう少し書くなら、〝誰も声をあげなかったのではなく、あげれなかった〟のではないかと推察しています。

この〝声をあげられない〟、すなわちその組織や集団に対して、素直な意見を言える関係性を築けていないことが問題です。

家族の場合はかけがえのない存在なので断捨離することは難しいですが、友人関係や職場などではある程度コントロールできるのではないかと思います。如何なる状況でも、素直に〝行きたくない・私は嫌です〟と主張できる人間関係にない人との無理な関係継続をやめる。そうした人間関係を、無理のない範囲で整理する。それが何よりの対処法なんじゃないかと思いますね。

ちなみに僕は人間関係を整理…というと言い方が悪いですが大切にするべき人・自分の時間を投下するべき人に集中して、曖昧な人間関係を見直したら、これはもう大変な効果がありました。端的に言って幸福度が上がりましたね。自分が〝無理してアビリーンに行っていることの多さ〟に気付かされました。

 

③アビリーンのパラドックスという現象を周囲に広める。

これはおまけ手段です。多くの人が経験したことのある無駄だったなぁと思われることを、明確に無駄だと断定して認識させる戦法です。この世界誰しもがアビリーンのパラドックスという現象を知っていたら、確実にアビリーンに行く人達は減ります。アビリーンに行くことは無駄な時間ですからね。こういうことがあると把握していれば、遊びや飲み会に行く前に一度はこの現象が頭をよぎって少しは考えを馳せるでしょう。

 

【追記】

ある方から、行き先や予定がどうこうではなく仕事の意思決定時にもこういう事はよく起こると教えていただきました。たしかに。誰も本当は納得していない、上手くいくと思っていないけれどその場の雰囲気や慮りで行ってしまう。

そういう意味でも、このパラドックスを知ることはとても意味があるなと。