Kokopelli

備忘録と思考と好きな事などをつらつらと。

インスタント・ソサエティ

全ての物事がどんどんインスタント化している。何をするにも簡単に、そして時間がかからなくなった。素晴らしいテクノロジーの進歩で、人類の勝利だとも言える。ただ、これに伴い弊害が一つあると考えられている。何でも簡単に、そして早くできるようになった現代では「今がよければそれでいいじゃん」「わざわざ大変なことやらなくてもよくね」といった思考が蔓延するインスタント・ソサエティ(簡易社会化)が進む。あらゆることが面倒になり、このインスタント化は加速度的に進んでいく。

今や本はネットで要約され、エッセンスはyoutubeなどでも見れる。連絡を取るのにわざわざ手紙を書く人はいない。大して頑張らなくても幸せが得られる現代で、歯を食いしばるような努力をする人もいない。スマホ世代は映画すら見る集中力がなくなり、youtubeばかり見ているらしい。

うーん、これでいいのだろうか。インスタント・ソサエティ化した社会では、真の優しさも生まれにくいと思う。即時的な見返りがなければ、行動しない人が増えていくからだ。少し前なら、長い時間軸のもと「まぁこの貸しはいつか返してくれれば良いからさ」「いつも悪いねぇ」みたいな美しいgive&takeが成立していた。これからは「これ、お願いしても良いですか?」「良いですけど、その見返りはいつくれるんですか?」みたいな歪んだgive&takeの形になっていく。脳がインスタントに慣れると、長い時間軸で生きていけなくなるのではないか。そんなので良いんだろうか。この点については色々考えてみたい。